2014/03/24

「こころをつなぐ」


僕の個展を見た人から「高田さんの作品は何でできてるの?」とよく尋ねられる。
その素材は紙であったり、木であったり、鉄だって使っている。絵画といえばそうだけど、
紙をつないだものや立体?それらは絵画・彫刻・陶芸といったカテゴリーにあてはまることなく自分の表現に合わせて素材を選んでいる。もちろん表面の形や色は重要だけれど、表現したいものは目には見えないもの。すなわち、自分そのものであり、ほかのナニモノでもない。haseの空間は自然光も差し込んでくる。この展示空間と作品との相互のバランスが心地よい。物の美しさは空間と比例するんだと思う。作品を見て「意味は?」と難しく考えず、うつわや洋服を選ぶように素直に感じ取ってもらえば幸いです。


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髙田 竹弥展  

「こころをつなぐ」

2014年3月22日(土)―3月30日(日)

http://www.utsuwahase.jp/hase

2014/03/17

朗読会



個展初日は岡安圭子さんの朗読会があります。

今回の朗読では作品の中でもインスパイアしている立原道造の詩を選んでもらいました。

私が立原道造を知ったのは彼が遺した図面をもとに再現された『ヒヤシンスハウス』でした。
このヒヤシンスハウス小さな小屋の窓から入ってくる自然光がとても美しい空間なのです
当時、伊賀の里山に居を移し、アトリエを改装中だった私はその世界に引き込まれていきました。


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眠りのほとりに 
 

 沈黙は 青い雪のやうに 
 やさしく 私を襲ひ…… 
 私は 射とめられた小さい野獣のやうに 
 眠りのなかに 身をたふす やがて身動きもなしに 
 
 ふたたび ささやく 失はれたしらべが 
 春の浮雲と 小鳥と 花と 影とを 呼びかへす 
 しかし それらはすでに私のものではない 
 あの日 手をたれて歩いたひとりぼつちの私の姿さへ 
 
 私は 夜に あかりをともし きらきらした眠るまへの 
 そのあかりのそばで それらを溶かすのみであらう 
 夢のうちに 夢よりもたよりなく

 影に住み そして時間が私になくなるとき 
 追憶はふたたび 嘆息のやうに 沈黙よりもかすかな 
 言葉たちをうたはせるであらう 


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22日は16時~ 岡安圭子朗読会 

お席をご用意する都合上、できましたら前日までに052-414-5465 またはinfo@utsuwahase.jp までご予約ください。